翻訳とは
翻訳に必要なスキル
それでは続いて、翻訳の仕事についてもう少し詳しく見ていきましょう。
翻訳とは、「異なる言語の文章を他の言語におきかえること」であるとすでにご説明しました。では、そんな翻訳に必要なスキルとは、何でしょうか?
まず1つ目は、原文を正しく理解する原文理解力。次に、指示や要望に応じて訳出できる柔軟性あるいは適応力。それから、原文を理解して訳文を作成するテキスト形成力です。
ちなみに「テキスト形成能力」とは、原文の単語をそのまま他の言語の単語に変換することではありません。原文の意図を適切に理解して、訳文言語の慣習・文化も鑑みて、オリジナルのテキストに過不足があれば他の言語に翻訳する際は補足をすることも大切です。それができて初めて、テキスト形成能力があると言えます。
そしてその能力を生かすためには、原文を理解する力と、翻訳依頼者の意図を明確に理解し、対応する柔軟性もしくは適応力がいるのです。
そう考えると、翻訳の仕事はとても大変な仕事ですよね。
コミュニケーション能力と責任感
翻訳の仕事に必要なスキルは、先に挙げた3つ以外に後2つあります。
翻訳の仕事に必要なスキルの4つ目は、コミュニケーション能力です。「翻訳は、文書を相手にしているんだから、翻訳者にコミュニケーション能力なんて必要ないんじゃないの?」そう考えてしまう方もおられるようですが、プロである以上、疑問があれば確認し、より意図にあった翻訳成果物を納品するのは当たり前のことですよね。
そう。翻訳の仕事に必要なスキルの最後は、プロフェッショナルとしての責任感を持っていることです。
翻訳は兼業でもできる仕事だからこそ、プロ意識が重要です。時間の多寡にかかわらず、仕事を請け負っている以上はプロであるという認識が求められています。
言語の感覚は使わなければ鈍ってしまうので、外国語だけでなく日本語の感覚も常に向上しようとする心がけが大切です。翻訳対象の業界についても最新の情報を得られるように情報収集をすることで品質を保つことができるといえます。